2007.10.30
直燃式脱臭装置における反応槽とは燃焼室の事であり、臭気ガスとバーナーの炎を十分に接触させ、対象ガスを処理温度(発火点)以上にする事が重要です。このように、燃焼室で重要な事はミキシングをする混合機構であり、今までは処理温度・滞留時間が重視され、混合機構は軽視されていたこともあったが、高い脱臭効率を求められるようになるにつれ、混合機構の重要性が再認識されるようになった。ミキシングを十分にし、均一な流動にり反応を行なわせる事により、温度分布を確保し脱臭効率を上げることがきわめて重要です。
2007.10.29
直燃式脱臭装置の燃焼装置は主にLNG・LPGといったガス燃料が使用されます。この他に重油、灯油及び軽油のような液体燃料も使用が可能です。この他にも廃溶剤や魚油など特殊な燃料を使用するケースもあるが一般的ではありません。火炎は輝炎といわれる最も輻射効果の高い燃焼状態で使用する事が望ましくその表面温度は1500℃以上あります。
燃焼制御は滞留室(反応槽)の末端に温度センサーを設置し、温度調節計にて燃料と燃焼空気を比例制御させ滞留室内の温度コントロールする方法が一般的です。
2007.10.26
直燃式脱臭装置の構造について説明します。直燃式脱臭装置の主要機器として燃焼装置、燃焼室、滞留室、混合機構、排気筒、送風機、熱交換器がある。直燃式脱臭装置では使用熱量が大きくなることもあり、ほとんどの場合に熱交換器を設置している。臭気ガスは、熱交換器で予熱され混合機構を経て燃焼室で加熱、滞留室で反応し熱交換器で放熱しながら排気筒をへて大気放出されます。
2007.10.25
直接燃焼式脱臭装置では臭気成分により分解温度と滞留時間は関係式で成り立つ範囲で考えるが、酸化反応速度は温度により大きく変化するため、温度範囲は限られる。また、ランニングコストを重視するため滞留時間とミキシング効果に重点を置いて、低い処理温度で反応を起こさせるように設計を行っている。
2007.10.24
直燃式脱臭装置の条件3つの条件について説明します。
Temperature(処理温度)は通常650~800℃で処理し、処理成分の発火点により選定を行います。
Time(滞留時間)はガス成分により異なりますが、通常は0.3~0.6秒程度です。
Turbulence(混合)は短時間で効率的に臭気ガスを火炎と接触させ十分にミキシングを考えなければなりません。
脱臭効率を得るためには、この3つの要素全てを満足する必要があります。
2007.10.05
直燃式脱臭装置の原理について紹介します。
一定の酸素濃度中(12%以上)に臭気ガスが存在している場合、臭気ガスの発火点以上に処理温度を保持し一定以上の滞留時間を確保する事により臭気成分は瞬時に酸化分解され、CO2・H2Oなどに分解させる方式です。
直燃式には3Tの条件があり
- time(時間)
- temperature(温度)
- turbulence(混合)
これらの要素を同時に満足させる事により高い効率が得られます。
2007.10.03
前回、直接燃焼式脱臭装置の長所を述べましたが、本日は短所を記述します。
- 燃焼温度が高くランニングコストが高い。一般的にトルエン換算濃度1000ppm以下で使用する場合は排熱回収用の熱交換器を具備するか、廃熱の再利用を考慮し設計を行う事が望ましい。
- 燃焼温度が高く窒素酸化物(NOx)の排出量が高い。一般的に問題ない範囲ではあるが、おおよそガス燃焼で20~30ppm、油燃焼で30~50ppmの窒素酸化物が発生します。総量規制のある地域などでは注意が必要です。
2007.10.02
直接燃焼式脱臭装置の長所について記述します。
- 高い脱臭効率が得られる
- 脱臭効率の経年劣化が少なく、初期効率を維持できる。
- ほとんどの有機物質の処理が可能で汎用性が高い
- 臭気発生設備の変動による脱臭効率の変動が少ない。(濃度・ガス量変動の影響が少ない)
- 保守・管理が容易。消耗品、定期交換品がほとんど必要ない
このような長所があるため汎用性があり臭気ガスの種類によっては非常に重宝する方式です。
2007.10.01
直接燃焼式脱臭は臭気物質にもよるが、一般的には処理温度650~800℃で高温酸化分解する方法です。原理及び構造が簡単で信頼性の高い装置との評価も高いが、同時に高温燃焼するためランニングコストが高い問題点も指摘されています。
2007.09.28
直接燃焼式脱臭装置の概念として1954年の悪臭防止条例のルール64で、臭気ガスに対し650℃:滞留時間0.3sec以上で燃焼脱臭すること、あるいはこれと同等以上の効果的方法で処理する事を義務付けた。現在でもこの考えが主流となり温度・滞留時間の目安となっている。