2008.02.28
<液化石油ガス Liquefied Petroleum Gas>
蒸気圧をみることで、使用しているLPガスの成分がプロパン系かブタン系かを推測してみましょう。
プロパン(C3H8)とブタン(C4H10)は、気体と液体の平衡状態を表す「蒸気圧」によって区別することができます。
温度/ プロパンの蒸気圧(MPa)/ ブタンの蒸気圧(MPa)
① 0℃ /0.49/0.10
②10℃ /0.66/0.15
③20℃ /0.86/0.21
④30℃ /1.1 /0.28
ブタンよりもプロパンの方が蒸気圧が高いことがわかります。
温度が高いほど各燃料が持つエネルギーが大きくなるため、蒸気圧は高くなります。
2008.02.27
<液化石油ガス Liquefied Petroleum Gas>
液化石油ガスは常温常圧(約0.1MPa・20℃)では気体ですが、圧力を加えるか、冷却すると液体になる性質があります。液体は気体に比べて、体積が約1/250となります。これにより、大量輸送が可能となります。
ガス種/ 圧力/温度
①都市ガス 13A(メタン)/– /-162℃に冷却
②プロパン /約8MPaに加圧/-42℃に冷却
③ブタン /約2MPaに加圧/-0.5℃に冷却
比較として都市ガスも常温常圧(約1MPa・20℃)では気体ですので、並べてみました。メタンは-82.6℃より高い温度では、いくら圧力を加えても液化しません。
2008.02.26
<液化石油ガス Liquefied Petroleum Gas>
比重をもとに各燃料の比較をしてみましょう。メタン(CH4)を主成分とした都市ガス、プロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)です。
ガス種(主成分)/比重 /発熱量(kcal/m3)/燃焼範囲(%)
①都市ガス 13A(メタン)/0.65 /11,000/ 5~15
②プロパン/1.52 /24,000/2.2~7.3
③ブタン/2.0 /32,000/1.9~8.5
各燃料が完全燃焼したときに発生する熱量である「発熱量」と、各燃料が燃焼ための空気中の濃度範囲である「燃焼範囲」については、後日改めて触れる事とします。比重との関係はどうなっていますか?予測してみてください。
2008.02.25
<液化石油ガス Liquefied Petroleum Gas>
何かの重さ(分子量)を1として、他のものの重さをその重さと比較した値のことを比重といいます。
一般に気体の場合は空気を、液体の場合は水を、それぞ基準値として「1」とします。
例えば、空気の分子量1mol=約29gとして、プロパンとブタンの比重をみてみましょう。
・プロパン(C3H8)の分子量 = 44g
1:29 = χ:44 χ=1.52
・ブタン(C4H10) = 58g
1:29 = χ:58 χ=2
分子量が大きいほど比重が大きい、つまりプロパンよりブタンの方が比重が大きくなります。
2008.02.22
<液化石油ガス Liquefied Petroleum Gas>
製造ガスの中で炭素が3~4の炭素水素であり、10kg/cm2以下の低い圧力で液化し、大気中に出ると気体になるガスを指します。
・プロピレン(C3H6)
・プロパン(C3H8)
・ブチレン(C4H8)
・ブタン(C4H10)
多くの場合プロパンまたはブタンのどちらかが使用されます。
2008.02.21
<ガスグループ区分:13A>
前にある数値は、対象ガスの熱量と比重(空気基準)から成る「ウォッベ指数」といいます。後ろにあるアルファベットは、対象ガス中の窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)の割合いから成る「燃焼速度」といいます。
ウォッベ指数が大きいほど、また、燃焼速度が速いほど熱量が大きくなります。7つあるガスグループ区分の中で、「13A」が最も大きい熱量を発生し、約45MJ/m3(0℃、大気圧)の総発熱量を持っています。
ガスグループ区分には、他に「12A」「6A」「5C」「L1」「L2」「L3」の6つがあります。
2008.02.20
<IGF21計画>
1990年1月に通商産業省資源エネルギー庁により提案された「INTEGRATED GAS FAMILY 21計画」を受けて、日本ガス協会および日本ガス石油機器工業会が、2010年を目途に、都市ガスのガスグループを天然ガスを中心とした高カロリーガスグループ(13A、12A)へ統一することを目的に策定。
みなさんの地域の都市ガスは13Aでしょうか?それとも現在移行中でしょうか?まずは都市ガスの種類を知ることで環境への関心を高めてみませんか?(こちらで検索できます)
2008.02.19
<都市ガス>
広義では製造ガスと同様とされ、天然ガス・LPG・LNGに手が加えられて、供給されれば「都市ガス」ということができます。
社団法人日本ガス協会によると、都市ガスの原料には、LNG(液化天然ガス)と国産天然ガスの天然ガス系原料と、LPG(液化石油ガス)などの石油系原料があります。現在では都市ガスの原料構成の9割以上が天然ガス系となっています。
国の基幹エネルギーとして天然ガスの一層の普及が求められ、「IGF21計画」により全国的に高カロリーガスへの統合が進められています。
2008.02.18
<液化天然ガス Liquefied Natural Gas>
天然ガスと聞くと地球にやさしいエネルギーというようなイメージですが、それは燃焼時に、大気汚染の原因といわれる窒素酸化物NOxや硫黄酸化物SOxの発生が石炭や石油に比べて少ないとされているからです。
また、燃焼時の二酸化炭素CO2発生量も石炭や石油に比べて少ないという特徴も持っています。
2008.02.16
<液化天然ガス Liquefied Natural Gas>
天然ガスを、脱硫、脱炭酸、脱湿等の前処理をしたのち、超低温に冷却し液化したものをいいます。
天然ガスはメタン(CH4)を主成分(80~100vol%)とする可燃性ガスで天然に産するものを指し、ガス田から生産されるガス田ガスと、油田から原油を生産する際に併産される随伴ガスとに区別されます。
従来、中東地域、東南アジア、アフリカ等の油田に産する随伴ガスは、焼却されるだけに終わっていましたが、近年になって、天然ガスの冷却液化・輸送・貯蔵技術の開発が進み、これら未利用ガス資源の利用の道が開けました。天然ガスは-162℃に冷却し液化することにより、常圧でも容積が約600分の1になります。この小容量化が輸送、貯蔵を容易なものとしました。LNGの性状は原料となる天然ガスの組成によって定まり、産地によって性質が異なります。
*引用・参考サイト:あとみん 原子力百科事典ATOMICA