【製造現場、生中継!】梅雨と王様と私
梅雨入り間近ですね。この季節が好きな人は、まずいないでしょう。事実、僕も嫌いです。晴れが好きな人にとっては、当然嫌でしょうし、雨が好きな人も、黴臭さは好きではないでしょう。まぁ、怠け者な僕にとっては、断続的に降ってくれるおかげで洗車せずに済んでます。ほんの少しだけ、助かってます。
それに、この時期は色んな野菜が安くなってきます。自然にスーパーに足が向きます。つい足繁く通ううちに、ある日大変な方に遭遇しました。
王様です。よくテレビで見かけるあの王様です。
その様な方が、こんな田舎の、スーパーの、果物売り場に、鎮座されていました。
不躾にもしげしげと眺めてみれば、なるほど、テレビで見るより随分大きい。周りを見れば、心なしか他の果物も気遅れしている様にも見えなくもないです。記念にと握手を求めたところ、見た目以上に硬く、重く、あとね……痛い。皮をびっしりと覆うトゲは、ウニの様な鋭さ。そして、あの悪名高い臭気。皮に覆われていても尚、その片鱗が見られます。流石はフルーツの王様、なんとも攻撃的じゃありませんか。
また………攻めたなぁ。このスーパーは、この『王様』を5箱ほど仕入れたようです。段積みです。パッと見て20~30個はあるんではないでしょうか?いくら『王様』と言えど、果物は果物。こんな凶暴な見た目であっても、賞味期限は4~5日位ではないでしょうか。そもそも買う人いるの?……それがいたんです。驚きです。
何に驚いたって、その買った人の様相にです。髪は丁寧に整えられ、ワイシャツの襟がキッチリと糊付けされた、見るからに実直そうな壮年男性だったからです。どんな人が買ってても驚いたと思うんですが、なんともシュールな取り合わせで、その後ドリアンがどう消費されるのか、想像せずにはいられませんでした。……僕には買う勇気はないなぁ。高いもの。M.Tでした。